5月31日 胃音痴

近くに業務スーパーしか食材を調達できる場所がないというのが、私の不摂生や浪費癖を助長していると思うのである。

業務スーパーには一人暮らし用の食材がなく、例えば豚肉なんかを買おうとすれば、400gは当たり前であり、外国産のバラ肉を狙ったりなんかすると、1㎏ぐらいは覚悟せねばならない。

安くて多いのだから、グラム単位では他より安く、下宿生の心強い味方であろう、というのは机上の空論であり、そういう頭でっかちな考え方が、この息苦しい社会を維持させている原因物質なのであって、いくらグラム単位で安かろうが、1パックの値段だって量がこれだけ多ければグンと高くなるし、バカはあればあるだけ食うわけで、「300グラムを買うと1日300消費するのだから、1000グラムを買えば3日分だ」などという計算式が成り立つわけもなく、1000グラムを買った日の肉の消費量は1000グラムなのであった。



二十数年生きてきて、4年ほど一人暮らしを続けていても、いまだに自分にとっての一人前がよくわかっていないのだけど、これはもはや私に問題があるとすればあまりにも治らなさすぎるし、豚肉の方に問題があるのではないだろうか。

豚肉以外にも、炊く前のコメってなんか容積が小さくて、1合炊飯器に入れてみて、これじゃあ足りないんじゃないのかと思ってもう半合足してみて、胃が破裂したり、ゆでる前のスパゲッティってなんだか容積が小さくて、100グラム鍋に入れてみて、これじゃあ足りないんじゃないかと思って100グラム足してみて、胃が破裂したり、私はほかにも様々な場面で胃を破裂させてきた。

今日もまた、豚バラ肉を400グラム煮込み、コメを2合炊き、コーラを飲みながら食えるだけ食うことで、私の胃の張力テンションは最高潮に達し、私は椅子に座れなくなってしまったのであった。

私はつくづく一人暮らしに向いていないと思うのだが、同時に私の生活を見てなんとも思わない人がいたとして、私はその人のことが心配になるわけで、しばらく胃の酷使は続きそうだと思った。