7月2日 そんなに言うなら隣の芝の色みせてもらいなさい

引きこもってうずくまって、鬱々とした自問自答を繰り返すのは、その成果を他者とのやり取りで発揮するためであったはずなのに、ここ最近そのような機会はなく、反省の目的が再挑戦から反省そのものにすり替わってしまった。

そうやって答え合わせのない問題に挑み続けていると頭がおかしくなっていき、言い知れない不安に飲み込まれて心拍数が跳ね上がって眠れなくなる。

今自分が持っているものすべてが醜く見えて、ここではないどこかに居場所を見つけなければならないような気がして、そうすると部屋の外という文字列が何となくさわやかに見えて、任意の対面授業に参加するのを口実に、私は外の世界に踏み出したのだった。

 

 

部屋の中はボタン一つでカラッと除湿されて涼しくて、悪天候を気にすることもないし、疲れたらそこらに寝っ転がれるうえに、充電が切れることもない。

冷蔵庫には飲み物も食べ物も入っていて、のどが渇けばすぐ飲めて、腹が減ればすぐ食べられる。

理想郷は部屋の中にあった。

私は湿った服を脱ぎすてて、熱いシャワーを浴び、布団を頭からかぶって夜まで眠るのだった。