6月14日 ひげ

もう大人なのでヒゲが伸びるし、ヒゲが恥ずかしいので剃るのだが、以前までの私は外に出る直前に剃ることを習慣化しており、このように(手を広げて見せる)外に一歩も出なくなってからは剃るきっかけを失ってしまい、もはや誰も私のことを大学生と見ないであろう見た目になった。

ヒゲというのは数日剃らないと力強く長く育って、そこらのカミソリではほんの少しストロークを長く取るだけで、すっかり絡まってしまって剃りきれなくなる。

剃らなければ剃らないほどに剃りづらくなるところは部屋の掃除などとも同じで、法則の中で私の最も嫌いなものの一つであって、剃りたい時だけ剃るというのを体は許してはくれず、来たるべき日をきれいな肌で迎えたいならば、日頃から弛まぬ努力(剃毛)を続けなければならないのである。

そこらのコンビニに行く程度であればマスクをつければ一発だし、オンライン授業も顔をさらす必要などないわけで、普段から剃る必要は全くないのだが、突然外で飯が食いたくなったとしたら、そのために剃刀を一つ潰して血だらけになりながらカウンターに座るのも嫌なので、あんまり伸びる前に多少はヒゲを減らしておかないとな、とも思うのだけど、目の前にないもののために努力ができるなら私は何にだってなれていただろうし、結局剃らずに伸ばし放題にして、外に出ないからヒゲが伸び、逆にヒゲがあるのを理由に外に出なくなる無限地獄に突入したのであった。